【書評】『正しい本の読み方』

書評・要約

本をどうやって読めばいいのかわからないことはありませんか?記憶に残さなきゃ、せっかく買ったのだから読まなきゃ、、、となっていませんか?また、本が多すぎて何を読めばいいかわからない人もいるのではないでしょうか。

そんな方には、橋爪大三郎さんの『正しい本の読み方』という本がおすすめです。

今回のブログでは、橋爪大三郎さんの『正しい本の読み方』を解説し、私の経験も踏まえながら、正しい本の読み方をご紹介します。

私も読書をどう読んだらいいのかに悩んだことがあります。そして、自分の時間を使って読むからこそ失敗したくない想いもありました。この本を読んで、こういう本を読んだらいいのか、本の読み方ってこうすると良いのだということがわかりました。

このブログを読むことで、『正しい本の読み方』の内容がわかり、本を読むときの重要な姿勢に気づくことができると思います。

書評

『初めての構造主義』の著者である橋爪大三郎さんの読書法!?と本屋でたまたま見つけ二度見してしまった。「正しい本の読み方」どういうのが正しい読み方なのだろう?と思いつつ、読み進めていくと、わかりやすく説明してくれていた。

この本を読み進めていくと、本に対する姿勢を学ぶことができ、どんどん本を読むことが楽しくなってきた。それに加えて、自分の勉強法や学生の頃から思っていた固定観念を壊してくれた。

冒頭でこのような文章から始まります。

さて、本は字で書いてあります。字は言葉を写し取ったものです。声は消えてしまいますが、字は残ります。繰り返して読めます。覚えなくても、字に書いてあれば、「ああ、そうか」とわかります。本を書いた人が死んでも、本は残ります。だから本は、ものを考えた昔の人の、死体です。
本を書いたのは、必ずだれか他人です。だから、本を読むとは、他人に関心を持つ、ということなんです。

「はじめに」より引用

本は文字がたくさん集まったものであり、その文字は本を書いている人の考えや思っていることを残してくれています。本を読むことがその著者に興味を持つこと、他人と繋がることであると思います。

重要ポイント3選

①本の読み方

すなおに読む

本を書く人は私たちのことは全く知らない。知らない人に向けて書いているのだが、どうしてもこのことが言いたいから本を書いている。それをどうやって伝えるのか?論理的に説明したり、わかりやすい言葉を選んだりして、私たちに届けている。

であるならば、まず私たちも、謙虚にその言葉を一旦受け取っておきましょうということである。

感情的になることや、納得できないことがあるかもしれない。しかし、そこはまず置いておき、読み取っていく。

「前提だったり、結論だったり、例示だったり、反証だったり」、各パーツは論理によって組み立てられているわけだから、その「構造」をまずは、素直につかもう。

の構造、段落の構造などをおさえていく。

テキストの構造を理解 論理・定義・対比

文章で私たちに伝えていくためには、論理や定義、対比が必要になってくる。いきなり、〇〇だ!と言われても、いや、納得できませんとなるだろう。だから筆者は定義をはっきりさせたり、対比をさせてわかるように説明しようとしている。

そのようなものに注目しながら頭の中に入れていく。

著者の対話

すなおに読み、論理など追いながら読んでいく。頭の中にその本の著者が一人いることになった。

Aという本を読んだ後に、Bという本を読むことで頭の中にAとB二人の著者がいることになる。

そこで仲良くはあまりない。たとえば、この読書法が良いという(A)とこの読書法が頭に残るのだという(B)の主張を受け取ると対立したり、矛盾したりとする。

本を読めば読むほどいろんな著者を頭に残すことになる。

②本から何を学ぶのか?

構造(著者は本をどのように書いているか)

本には今からこういう話をしていきますよ、このことについて書いていきますねという前提の部分がある。そして著者の言いたいこと(主張)に向かって、具体例を使ったり、対比(反証)だったりを上手に使いながら、組み立てられている。その「構造」を素直に読み取っていく。

ここで大事になってくるのがやはり「すなおな心」が大事になってきます。本の内容で自分は納得できないものももちろんあります。しかし、一旦自分の感情や想いは横に置いておいておこう。あくまで

自分と違う人の意見をすなおに聞いてみる、構造を読み取っていきましょう。

意図(なぜ著者はこの本を書いたのか)

その本の著者の他の著者に対する関係のことである。なぜ本を書くのか?

本を書くのは、他の本にはないことをこの本にで伝えたいから書いている。

つまり、他の著者と対抗しているのである。読む側も周辺の本を読んでいないと意図が読み取れなくなることがあるので、著者の「意図」を想像しながら読むと良い。

背景(著者はどのようなバックグラウンドをもって書いたのか)

著者の考えになっているもとがある。あの本に影響を受けていることや、この哲学者の考えがベースにあるなど色々ある。著者自身には当たり前のようになっているものが必ず存在する。その背景がわかるとより一層深く本に向き合えることができる。

③本は覚えない

本は覚えてえなくていいためにある。文字がなかった時は、全て覚えておかなければならなかったが、文字を書くようになり、本になったことで覚えなくて良くなった。

中身を覚えるのではなく、本のことを覚えておこう。本は何回でも読むことができるし、電子書籍でも読めるのも増えてきた。付箋を貼ったり検索したりできる。

一番は自分の「頭の栄養」のために本を読むことが重要。本の中身を全て覚えることでは脳の容量が足りなくなるから、もっと違うことに頭を使うようにした方が良いと書かれていた。

この言葉を受け取った後、読んでいけば行くほど納得ができてしまったとの同時に、今までの自分の学生生活や、勉強に対する態度を振り返るきっかけにもなった。

まとめ

本を読む姿勢として、すなおに読んでいくことが重要です。いろんな感情がわきあがってきますが、それは置いておきましょう。すなおに読むために、文章の構造や著者の考えや背景にも目を向けることでより本の内容を読み取ることができます。

本を覚えなければと私自身も焦ったこともあります。今までの中高の勉強がそうだったから。だいたいで良いのだ、という橋爪さんの言葉で自分を縛っていたものから解放された気がします。

本で探究心を身につける

このコンセプトで、このブログを書いています。

読書要約Instagram(読書クマ|書評と要約の教室)に今回の『正しい本の読み方』の簡単なまとめを投稿していますので、あわせてご覧ください。ぜひ、よろしくお願いします。

参考書籍

橋爪大三郎(2017)『正しい本の読み方』講談社現代新書

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