【書評+解説:はじめての哲学的思考】哲学って何だろう?

書評・要約

みなさん、こんにちは、こんばんは るんるんです。今日は書評にチャレンジしてみます。最近の私のマイブームは哲学です。学生の頃から哲学は敬遠してきた学問でした。しかし、この本に出合って哲学への抵抗感がなくなりました。苫野一徳さんの『はじめての哲学的思考』です。

『はじめての哲学的思考』から学べたこととは?

哲学って苦手で難しいもので、とっつきにくいと感じていました。

しかし、この本に出会ってそれが180度変わり、むしろ哲学ってこんなに面白いのか!と気づくことができる一冊です。

専門的に勉強したわけでもない哲学初心者の私でも、読み進めることができました!

哲学が大事にしていることを知ることができ、ビジネスマンでも読んでおいて損はないと思います。

議論の仕方や、ちょっとしたワナに引っかからないようにできる考え方や話し方も学べます。

そのような身近なものから、社会をより良くするためには?の問いに答えるヒントが隠されている一冊です。

『はじめての哲学的思考』の3POINT

⭐️哲学ってそもそも何だろう?

哲学とは本質を学ぶこと。(絶対的な真理を追求×)

できるだけ誰もが、納得できる物事の本質を考えていくもの。

それを頭に入れた状態で、ここまでなら、誰もが納得できるに違いないというところまで考えを深めていきます。そしてお互いが納得できる(共通了解)答えを出すことが目標です。

⭐️一般化のワナと問い方のマジック

私たちは経験したことをもとに考えたり、行動している。その経験に偏ってしまうとワナにハマってしまうことがあります。そのワナを苫野一徳さんは「一般化のワナ」と呼んでいます。そして、「問い方のマジック」にも気をつけようと教えてくれています。

●一般化のワナ

自分の経験を過度に一般化してしまい、他の可能性を考えなくなってしまうことです。

「勉強はこうやってやったら絶対大丈夫」などが挙げられるだろう。必ずしも他の人に当てはまるかどうかはわからないし、様々な可能性がある。自分の経験はあくまで自分の経験であることを忘れてはいけない。

●問い方のマジック

二項対立的な問いのことです。

この問い方をすると、どちらがか正解なのではないかと思い、誤った方向へと向かわせてしまいます。ニセ問題が世の中にはあふれています。

本書で紹介していたのは、「教育は子どもたちの幸せのためにあるのか?それとも国家を存続・発展させるためにあるのか?」という問いが問い方のマジックになります。

そのニセ問題に引っかからないように「問いの立て方を変える」必要があります。

「人間が生きる絶対の理由はあるのか、ないのか」

「人間は、一体どんな時に生きる意味や理由を感じることができるだろう?」

⭐️超ディベート(共通了解志向型対話)

学校で勉強してきた今までのディベートは賛成か反対かを決めるものが多かったのではないでしょうか?

しかしそのようなディベートではなく、共通了解を見出せるようなでディベート苫野一徳さんは提案しています。

超ディベートとは、お互いが納得できる第三のアイデアを出す議論のことです。

✅やり方

①対立する意見の底にあるそれぞれの欲望・関心を自覚的にさかのぼって明らかにする。

②お互いに納得できる共通関心を見出す。

③共通関心を満たす第三のアイデアを考え合う。

『はじめての哲学的思考』苫野一徳

世の中には絶対なものはありません。世の中にあるのは、自分自身の確信や信憑があるだけです。それらを相手と交換し合いながら共通了解を見つけていくことが大切です。そして超ディベートは相手との妥協を促すものではないことを誤解しないようにしましょう。

✅欲望相関性の原理(竹田青嗣)世界は欲望によって現れる。(思考の始発点)

私たちは何かしらの欲望を抱いています。何かを飲みたい、食べたい、こうしたい、こうなればいいと毎日様々な欲望(〜したい)があります。

その欲望を知ることで、自分と折り合いをつけてみる、どうしてもその欲望で不幸になってしまうならば、欲望を変えてみて思考をチェンジしてみよう。

⭐️今すぐ使える哲学的思考

①事実から〜すべしを導かない

「飲酒が多いからもっと厳罰にすべきだ」という言葉を聞いたことがありますよね。しかしこれは論理的に考えてみると、おかしい部分があります。

お互いの欲望を投げかけ合い、できるだけ納得できる「べし」を見つけ出す。

(「なぜ人を殺してはいけないのか」という問いにも本書に、なるほど!と思う答えが書いているので、ぜひ読んでみて欲しいです!)

②命令思考ではなく条件解明の思考

仕事をしているときに、上司からの命令に従わないといけない場面があると思います。ですが、その命令に納得いかない、無理がある!と感じて従えない時もあります。

その時に、「どのような条件が揃ったら、その命令に従えるのか?逆に従えなくなるのか」と条件の方を考えてみてください。自分に納得できることだったら?この上司のこの言い方だったら?と考えてみてみると、動きやすくなるかもしれません。

③思考実験に注意

「もし」で始まってしまうたしかめ不可能問題ではなく、哲学はたしかめ可能を扱う。問い方のマジックにきをつけつつ、欲望をもとに考えていく。

⭐️哲学的対話

①価値観・感受性の交換対話

→自分自身を深く知る

→自己了解+他者了解も深まる

→共通了解を見出し合う点

②超ディベート

③本質観取(物事の本質部分を考える)

『はじめての哲学的思考』苫野一徳

哲学は本質を考えていくものです。その本質が決まると、どうやってそれにたどり着くようにするのかがわかってきます。

『はじめての哲学的思考』

中高生向けに書かれていても社会人が読んでも考えるところや学ぶところがたくさんありました。哲学に興味のない人や哲学って難しいよ😅って思う人にでも読みやすいと思います。さらに、こんなに哲学って自分の人生や生活にも役立つのか!と気づくことができます。

特に仕事で会議があると思います。議論の進め方もこの方法で話していくこでよりいいアイデアや建設的な議論ができると思いました。

哲学の思考は「シンプル」で本質を見つけ出し、お互いに納得できる第三の答えをそれぞれの欲望に向き合いながら、答えを出していくことが学べた本でした。

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